「極めて自民党的なやり方」
ジャーナリストの赤石晋一郎さんは、一連のプロジェクトについて「小池さん自身も全体像が見えていないのでは」と指摘する。
「思いつきが先行するのが小池さんの政策の特徴です。全体のグランドデザインがないため、ポイント的な投資をするものの、何を目指そうとしているのかがわかりにくい」
さらに、「自身を支持してくれる層への見返りが手厚いのも、小池さんの持つ極めて自民党的なやり方だと思います」とその手法を表する。
「今夏の都知事選でも女性向けの政策を手厚くするなど、自分の支持層への現金支給を次々打ち出しました。都の予算は約16兆円と、国家予算並み。巨費を投じる各政策を見ていると業界団体を含め幅広く“ばらまき”している印象です。一方で、多摩格差ゼロや満員電車解消などの公約についてはさっぱり動きがありません。
7月の都知事選では圧勝しましたし、いまや都議会内にも“反対勢力”はほぼいない。小池さんが、やる!と決めたら誰も止められないのでしょう」(赤石さん)
巨大噴水も、都民の生活に寄与するどころか、都に利益をもたらすかどうかさえ不透明だ。
「プロジェクションマッピングも、イベント関係者や機材のレンタル代、整備費などの関連業者が儲かるだけ。噴水についても、結局は都民の生活が潤うのではなく、まず経済効果を実感するのは建設業界や、維持管理を担う補修業者や警備会社でしょう。
プロジェクションマッピングの経済効果について、小池さんは18億円ほどと見込んでいましたが、それが果たしてどれほどだったか検証はなされていない。そればかりか、当初7億円だったはずの予算は、関連事業費を含め2年間で約17億円に膨らんだ。特定の業界や団体のみががっぽり儲けている」(有馬さん)
■後編記事:《小池都知事がぶち上げた26億円お台場噴水事業》東京都が見込む「経済効果98億円」は“年間2000万人の来訪者が1人5万円使う”現実味のない試算
※女性セブン2024年12月5日号