日本の物流を担い、「クロネコヤマトの宅急便」で知られるヤマトホールディングス(HD)が、赤字転落の苦境に喘いでいる。その背後では、世界最大のネット通販事業者であるアマゾンとの関係に緊張が走っている事情があるという。サービスを享受する利用者にとっても決して見過ごせない事態が表面化しつつある。【全3回の第2回】
11月5日、ヤマトHDが発表した2024年度上期の連結決算は、売上高(営業収益)が前年同期比3%減の8404億円、営業損益は150億円の赤字に転落。2025年3月期の通期予想も見直され、営業収益、営業利益ともに4期連続で下方修正した。物流ジャーナリストの刈屋大輔氏(青山ロジスティクス総合研究所代表取締役)は次のように分析する。
「アマゾンをはじめとする大口法人顧客との契約運賃の値上げ交渉が思うように進んでいないことが、業績悪化の原因になっていると考えられます。交渉がまとまらなかった場合、繁忙期となる年末の就労条件の悪化を招くことになれば、年明け以降の離職者増加にもつながりかねません」
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