「複数年の大型契約が終わった年」の扱いの難しさ
ある在京の球団関係者は坂本の契約更改について「もっと下がると思っていた」と話した。そのうえで、「巨人は今オフにFAで阪神の主砲・大山(悠輔)の獲得に乗り出している。大山には複数年の大型契約を提示しているとされるが、今オフの坂本のように“複数年の大型契約が終わった年”に大きな減俸をする球団だと思われたくないという心理も働いたのではないか」との見方を語った。
今季の坂本は遊撃から三塁へと本格的にコンバートされ、109試合出場で打率.238、7本塁打、34打点という成績だった。守備面で貢献してゴールデン・グラブ賞を獲得したものの、打撃面では不振に陥った時期もあり、夏場にはファームでの調整となる時期もあった。今回の単年契約には「1年、1年が勝負だと思ってやりたい」と会見で語っている。
改めて今季の坂本の働きを検証すると、チームの主力として満足のいく内容ではなかったことが浮かび上がる。プロ野球を各種データから分析した『データ・ボール』などの著書があるライター・広尾晃氏協力のもと、年俸と成績を検証。今季一軍の試合に出場した野手319人をランキング化した。坂本の「1安打あたりの年俸」を計算すると、年俸6億円で94安打での坂本は1安打あたりの年俸は638.3万円。ワースト47位だった。
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