また、文部科学省はプログラミング教育を小学校で2020年度から、中学校で2021年度から開始し、高校ではプログラミングの内容を含む科目「情報I」を2022年度から必修にした。
大学入学共通テストでは2025年度入試から新たに「情報Ⅰ」が追加されるが、前述したように、生成AI時代に必要な能力はプログラミングではなくプロンプトになっているのだから、文科省教育は完全に世界から1周遅れ、いや2周遅れになっている。
つまり日本は“教育後進国”であり、それがバブル崩壊以来30年以上にわたって低迷・衰退している根本的な原因なのだ。この現実を直視して、一刻も早く次のフェーズに移らなくてはならない。
(大前研一・著『新版 第4の波』より一部抜粋して再構成)
【プロフィール】
大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。ビジネス・ブレークスルー(BBT)を創業し、現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。新刊『新版 第4の波 AI・スマホ革命の本質』(小学館新書)など著書多数。