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なぜ飲食店で“太ったスタッフ”相手だと「デザートの注文率」が4倍に激増するのか

「影響を受けないための対策」は通用するのか

 研究では、「影響を受けないための対策」として「事前に自分の注文を決めておくこと」が提案されている。たとえば、「デザートは頼まない」「アルコールは1杯まで」というようにルールを設定しておけば、ウェイターの体格や雰囲気に惑わされずに済むという。しかし、これが本当に現実で通用するのか、私は少し疑問だ。

 たとえば、私はチーズバーガーを食べたいと思ってマクドナルドに行くことがある。コーヒーを飲みたくてドトールに立ち寄ることもある。その場合、目的がはっきりしているので余計な注文をすることはほとんどない。しかし、フルサービスのレストラン(つまり、お勘定に少し気合が必要な店)ではどうだろうか。そのような場面では、自分の心に余白を持たせ、店のおすすめやその場の雰囲気を楽しみたいという余白が必要なのではないだろうか。そう考えると、事前に注文を決めるというのは現実的ではないと思うのだ。

 この研究は、飲食業界における「売上戦略」に対して新たなヒントを提供している。細身のスタッフよりも高BMIのスタッフを採用することで、デザートやアルコールの注文が増加するなら、それは売上アップに直結する可能性が高い。飲食業界の常識は覆された!

【プロフィール】
小倉健一(おぐら・けんいち)/イトモス研究所所長。1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立して現職。

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