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藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

【損切りとは何が違う?】年内に使いたい「損出し」のメリットと具体的な手順を解説 含み損があるけど手放したくない保有銘柄を活用

投資の損失を節税につなげる「損出し」とは(写真:イメージマート)

投資の損失を節税につなげる「損出し」とは(写真:イメージマート)

 損切りで節税する方法に加えて、保有銘柄を手放すことなく税金を安くする方法がある。それが損出しによる節税だ。それはどのようにおこなうのか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第120回は、「損出しを使った節税」について。

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 年末に向けて、株や投資信託で含み損を抱えている場合、「損出し」をして節税することができます。売る気はないけど、含み損を抱えている人は、ぜひ年末の「損出し」で節税しましょう。

損出しの条件

「損出し」とは、含み損となっている株や投資信託を売却して、損失を確定することです。つまりそれは「損切り」では?と思うかもしれませんが、売って手放す「損切り」とはちがい、「損出し」は売ったあと、また同じ株を買い戻します。年内にいったん損失を確定することで、確定している利益や配当にかかる税金を相殺して、節税することが目的です。

「損出し」が有効になる条件は以下のふたつです。

【1】株や投資信託の譲渡益、もしくは配当金で利益が確定している
【2】含み損(買ってから価格が下がって、マイナスの状態)の株や、投資信託をもっている

損出しのメリット

「損出し」は確定した利益に対してかかる税金を、含み損となっている株や投資信託を売却して、損失を確定し、トータルの利益を減額→節税する技です。

 たとえばA株で50万円の利益、B株で30万円の含み損で年を越した場合、2024年の税金は、利益の50万円に対して20.315%で10万1575円です。一方、損出しをした場合、利益は、50万円-30万円で20万円になるので、税額は、4万630円となり、6万945円もお得になります。

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