閉じる ×
藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

【損切りとは何が違う?】年内に使いたい「損出し」のメリットと具体的な手順を解説 含み損があるけど手放したくない保有銘柄を活用

損出しの手順

「損出し」は、含み損の株をいったん売って、買い戻しますが、同じ日に買い戻してしまうと効率的な節税ができなくなります。

 たとえば、1000円で買った株を、800円で売って、同じ日に800円で買い戻した場合、通常の感覚なら、200円の損失となります。しかし、特定口座では、同じ銘柄を同日に売買した場合、「買い」が先にあったものとしてみなされ、平均取得単価が計算されます。そのため、この場合、1000円と800円で同じ株を買って、それを800円で売ったとみなされます。損失額は、平均取得株価900円で、売却額800円なので100円です。本来は200円の損失なのに、しくみ上、100円の損失となってしまい、節税効果が薄くなってしまいます。

 これを避けるために利用するのが、信用取引をつかったクロス取引です。

損出しのクロス取引の手順

【1】損出ししたい銘柄を、当日8時59分までに現物の成り行き売り注文
【2】同じ銘柄を、おなじく当日8時59分までに信用で成り行き買い注文
【3】翌営業日に信用買いした分を現引きする

 同じ銘柄を、現物取引で成り行き売り、信用取引で買いすることで、同じ価格で約定することができます。現引きというのは、証券会社から借りていた株式を、自分の現金で引き取ることです。この作業を行うことで、現物の口座に、売った銘柄がふたたび保有されることになります。

 これで、含み損の損を節税に生かしつつ、手放したくない含み損だった株をそのまま保有できるようになります。しかも、いったん売却しているので、買い戻した時点で、含み損はゼロに! 見るたび落ち込んでいた気持ちもスッキリです!

 売りたくないけど、含み損を抱えている株や投資信託がある人は、ぜひ「損出し」にチャレンジしてください。

 ちなみに2024年分の最終売買日は、12月26日(木)なので、この日までに損出ししましょう!

次のページ:今回のまとめ

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。