2017年の株式市場は「申酉騒ぐ」の相場格言があるように、「トランプ相場」で盛り上がりを見せている。だが、その一方で“不吉”なサインもあることをご存じだろうか。『マーケットプレス』(ラジオNIKKEI)などに出演する経済ジャーナリスト・和島英樹氏が「7の年のアノマリー(明確な根拠はないが、そうなることが多い経験則)」について解説する。
「2007年にはサブプライム・ショック、1997年にはアジア通貨危機、1987年にはブラックマンデー、と過去30年間で末尾が『7』の年はいずれも株価暴落に見舞われました。
例えば、1987年のブラックマンデーの際はイールド・スプレッド(利回りの差)が暴落のきっかけともされています。米国の長期金利が上昇し、株式の益利回り(PERの逆数)との差で、長期国債が魅力的(株式が割高)な水準となり、株式から債券への資金シフトが起こり、株価急落につながったのです」
とはいえ、今年の干支である酉年は戦後、東京証券取引所が再開後に5回あり、日経平均株価の年間騰落率で4勝1敗と勝率は高い。必ずしも不吉な兆候ばかりを強調する必要はないのではないか。
「しかし、唯一の1敗が今から60年前の『7』の年である1957年です。今年と同じ『丁酉(ひのととり)』に当たり、『なべ底不況』ともいわれたその年は株価が年間約14%の下落となりました」(同前)
2017年は「7の年」に「丁酉」となるが、もしアノマリー通り株価暴落があるとすれば、どんなリスク要因が考えられるのか。和島氏はこんな見方をする。