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ビジネス
SNS投資詐欺「被害者の告白」

【SNS投資詐欺「被害者の告白」】「AIを使ったFX自動売買」の触れ込みを信じて1250万円の詐欺被害に遭った40代男性 「子供の私立進学も諦める羽目に…」

振り返れば「お金が増えていく快感って怖い」

 嶋田さんが途中で詐欺と気づくポイントはなかったのでしょうか。実はあったようです。奥さんに、AIでの投資サイトの件を話しており「怪しいところではないか?」と言われていました。

「しかし自分が信じ切っていたので、『大丈夫、利益出ているから大丈夫だよ』と答えました」

 周りからの忠告に耳を傾けなかった自分自身を大いに反省しています。

 その結果、嶋田さんは貯金を使い切っただけでなく、偽サイト側の勧めもあり、800万円もの借金をしてしまいました。今後、その返済もしていかなければなりません。お金を失ったことを奥さんに話したそうです。

「泣かれました。子供が私立の学校に行くことが決まっていたのですが、お金がなくなってしまい、それを諦めるしかなくて」と人生が大きく狂わせられたことを落胆した様子で話します。

「自分は詐欺にかからないと思って生きてきました。物事を慎重に考える人間なんです。でも、お金が増えていく快感って怖いですね。楽して稼げないはずなのに、その時はそう思ってしまった。その背景には、きっかけが青汁王子や前澤友作さんという著名人を騙った広告というところが大きくありました。有名人が出てくるから大丈夫だろうってなって。本当に馬鹿なことしたなと思う」

 偽りの広告をきっかけに、人生が狂わせられて、自らの生活も苦しいなかですが、SNS上の広告から被害をなくすために、その責任を問う裁判を起こして声を上げています。

「日本では、プラットフォームに関する法律は不十分です。ここで正さないと、SNSのプラットフォームは無法地帯になります」

 今も、被害が出ている可能性があるだけに、こうした被害を生み出さないためての法整備やプラットフォームの責任を問う議論が早急に求められます。

■前編記事:【SNS投資詐欺「被害者の告白」】100万円の貯金しかないのに1900万円の借金を背負い込んだ60代女性の後悔 偽りの投資成果を信じ込ませる詐欺グループの狡猾な手口

第二次提訴した埼玉の弁護団の会見

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【プロフィール】
多田文明(ただ・ふみあき)/詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。『ついていったらこうなった』(彩図社)はテレビ番組化。また、旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)。

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