そうは言っても、ネットが苦手な人にとっては、対面営業から突然シフトするのは難しい面もあるだろう。国内外の金融機関で勤務してきた金融文筆家の田代昌之氏が言う。
「まずできることは証券マンと向き合う時は一人ではなく、家族なり誰かに同席してもらうこと。自宅まで営業に来るなら上席の人間などを同席するよう要請したほうがいいし、支店に行くならいつもの担当者ばかりでなく他の担当者に問い合わせてもいい。複数の目が及ぶようにしておくのも自衛策になるでしょう」
不祥事が相次いだのは、むしろ良いきっかけだと深野氏はアドバイスする。
「言われるがままではなく、自ら金融機関と運用先を選ぶ。そのことがこれまで以上に求められていることに改めて気づかせてくれた。これを好機ととらえてほしい」
自分の資産を守れるのは、自分しかいないのだ。
■前編記事:【証券会社で相次ぐ不祥事】「顧客にとって証券マンの存在がリスクになる可能性」手数料が高い商品を売り込まれる懸念、投資を一任するラップ口座も要注意
※週刊ポスト2024年12月27日号