政権交代にならないとしても、反EUを掲げる極右政党が議席数を伸ばすなど躍進した場合、その後の欧州各国の選挙に連鎖していく可能性がある。オランダの選挙結果はフランスの選挙に、フランスの結果はドイツの選挙に影響する。
仮にフランス大統領選でルペン候補勝利となれば、2016年の英国のEU離脱(ブレグジット)決定時のように、その段階で金融市場は相当荒れ、金価格は急騰となろう。
昨年6月下旬のブレグジット決定直後はリスク回避で金市場への資金流入が加速し、翌月の7月6日にはニューヨーク商品取引所(COMEX)金先物市場で、2016年の高値となる1トロイオンス(約31.1035グラム)=1377.50ドルをつけた。
英国は今年3月末までにEU離脱を通告する予定であり、離脱交渉がいよいよ始まる。交渉自体は難航が予想されるが、一連の動きはフランスやドイツの世論を刺激し、反EU勢力が支持を伸ばしていく可能性もある。
※マネーポスト2017年春号