2025年の日本経済はどう動くのか。昨年の日経平均株価は3万3000円台でスタートし、7月には史上最高値を更新する4万2000円台まで上昇した。今年はアメリカでドナルド・トランプ氏の大統領再登板など、波乱含みの要素も多いとされる。不確実性が高まるなか、財界きっての“経済予測の達人”とされるニトリホールディングス・似鳥昭雄会長(80)は今後をどう見通しているのか――。
国内外の店舗数は1000店を超え、グループ従業員数約5万7000人を誇るニトリHD。週刊ポスト2025年1月4日発売号では、同社を率いるカリスマ創業者・似鳥氏の新春特別インタビューを掲載している。
ニトリHDは商品の約9割を海外で生産して輸入するビジネスモデルのため、為替が1円円安に動くだけで、利益が年20億円のマイナスとなる。昨年1~11月は平均で1ドル152円だったが、同社は1ドル150円を想定していた。似鳥氏は「想定より2円円安でしたが、現時点で目標を達成できているのは、会社が“筋肉質”になった結果だと思います」と話した。
2025年には日米の金利差の縮小から為替は円高に振れると読んでおり、「円高が進めば、その分はお客様に値下げで還元したいですね」と似鳥氏は笑顔で語った。今年の具体的なドル円相場の水準、日経平均の値動き、そして新たに誕生するトランプ政権の影響についても、インタビューのなかでは詳しく語っている。
大手が中小を呑み込み、業界の垣根がなくなっていく
また、日本の小売業を見渡したうえで、「これからは大手が中小を呑み込み、業界の垣根さえなくなっていく方向に進んでいくと見ています」とも話した似鳥氏。米国では、様々な分野の小売業の大手が淘汰され、ウォルマートとアマゾンという二大巨頭による寡占化が進んでいる。似鳥氏は「この先行事例に、日本も続くでしょう」との見通しを披露した。
それはつまり、中小企業のビジネスが曲がり角を迎えるということでもあるが、似鳥氏は健全な競争の重要性を強調した。力のない企業が淘汰されることは、企業や業界の発展のために必要なことでもあるという。淘汰されたくなければ何が求められるのか。似鳥氏は「新しいことを始める必要がある。激しい競争を生き抜くには、変化を恐れてはいけないと思います」と熱弁を振るった。
なお、「マネーポストWEB」では、似鳥会長の新春インタビューを全文公開している。別記事〈【経済予測の達人】ニトリHD・似鳥昭雄会長が読み解く2025年の経済 為替は「1ドル145円前後まで円高が進む」、日本企業は「大手が中小を呑み込む」淘汰と再編の時代へ〉などで、2025年のドル円相場、日経平均株価などの具体的な予測、日本における「淘汰・再編」がどう進むかの見通し、ニトリHDが業績拡大を続けられた秘訣、そして困難な時代を生きる日本人への熱いメッセージが収録されている。