閉じる ×
快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた

【ミニ史上、最も大きなボディ】BMWミニのSUVモデル「ミニ・カントリーマン」が見せた“新たなミニ像”

しっとりした走りの味わいとミニらしい楽しさがバランス良く調和

 まずミニの歴史上、もっとも大きくなったボディですが、かなり大きく感じると同時になかなかの押し出し感で迫力があります。今回のモデルから採用された変形6角形のヘッドライトだけでなく、大きな8角形のフロントグリルや厚みを感じさせるプレスラインの入ったボンネットとの組み合わせによる表情はSUVとしてのワイルドさを表現する仕上がりです。それでもこのワイルド感を、ミニの“新しい表情”として受け入れることができるのは、外観にもどこか可愛いミニらしさを感じさせるデザインセンスが生きているからでしょう。

 そうしたデザインの共通項はドアを開けドライバーズシートに座っても連続します。というかインテリアの雰囲気はミニそのもの。ダッシュボードの中央に3ドアなどのクーパーモデルと同様の直径240mmという、大きな円形有機ELディスプレイを装備。これだけでも「ミニならではの景色」です。

 さらにインパネ表面はテキスタイル調で仕上げ、ディスプレイの下には“トグルスイッチ”などを並べ、ミニならではの風景を創り上げています。確かにボディも大きく、室内は広くなっていますが、やはりミニなのです。こうしたミニのデザイン要素を生かしながら、上質でくつろぎの室内を創り上げる。これが「高級車」と言われる所以なのですが、さすがに「小さな」という形容詞は無理がありそうです。

 そんなデザインを確認したところでメインスイッチをオン。独特の電子音とともにBEVのカントリーマンが目覚めました。アクセルと軽く踏み込むと静々と、しかし確実なトルク感を伴いながら走り出します。フロントとリアにモーターを搭載した2モーター方式の4WDモデルです。システムの最高出力は306馬力(225kW)、最大トルク494N・mを発生して、0-100km/h加速は5.6秒とスポーツカー級の速さ。そのパワーを最適な配分で路面に伝え、実にスムーズで静かで滑らかな走行感として表現してくれます。

 重量は2トンを超えていますが、それがかえってしっとりとした乗り味を生んでいることもあり、走りも上質です。車重のあるBEVは、どうしてもサスペンションは硬めになり、路面からの衝撃が気になるもの。ところがカントリーマンの乗り味には、そうしたネガがほとんどないように感じたのです。この走りの味も評価の高いBMWのコンパクトSUV「X1/iX1」用のプラットフォームをベースに仕上げてあるからでしょう。市街地でのレスポンスの良さ、安定感のあるコーナリング、そして高速でのしなやかさは「ミニが新たに完成させた味」と言っていいでしょう。そしてリチウムイオンバッテリーの総電力量は66.5kWhで、一充電での走行可能距離は451km(WLTCモード)。実走行での電費は6.4km/kWhを実現しましたから、このアベレージなら計算上は425.6km走行可能となります。まぁ悪くない数字ではないでしょうか。

 エンジンモデルの軽く軽快な走りもいいですが、SUVであるカントリーマンにはむしろ、このしっとり感とスムーズさが似合っていると言った感想を抱きながら、クルマを降りました。“大きなミニ”ちょっといいかも……。

これまでのクロスオーバーよりもボディ・サイズは拡大され全長4,445mm×全幅1,845mm×全高1,660mmとなった。大きく安定感のあるスタイル

これまでのクロスオーバーよりもボディ・サイズは拡大され全長4,445mm×全幅1,845mm×全高1,660mmとなった。大きく安定感のあるスタイル

【写真】遊び心のあるデザインや快適性の増した車内
関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。