●投資の経験は仕事にも生きる
投資に向き合った経験は、こんな私を大きく変えてくれました。
投資を本格的に開始したのは25歳ですが、それ以前から投資の勉強をしていたので、私にはわずかながら「投資家目線」がありました。優れた銘柄を見つけ出し、そこに投資することで、大きなリターンを得られることを知っていたのです。
20代半ばのとき、グループ企業全社をあげて注力する事業が立ち上がりました。この年、私はここに社会人生活のすべてをかけることにしました。
会社が注力する事業は、これから成長する可能性が大きい事業であり、ここで成果を上げることで、評価がグッと上がる可能性があります。会社として注力していない事業の仕事は力を抜いて、会社として注力する事業の仕事にリソースを集中すれば、「社会人として勝てるかもしれない」と「投資家目線」で分析したのです。
事業が立ち上がると、私はとにかくスタートダッシュを決めることに集中しました。
そのスタートダッシュが功を奏し、数カ月経過した時点で、社内で上位の成績をあげることができました。
すると、部長が私の努力を評価してくれ、多くのリソースを注力事業に充てることを許可してくれたのです。
部長の後押しがあったおかげで、周囲も協力的でした。結果的に、私はグループ企業全体で数千人いる従業員のなかで、営業成績1位を勝ち取りました。2位以下の上位はベテラン社員ばかりで、本当に誇らしかったです。
この出来事をきっかけに、イケてない社員だった私の評価はガラリと変わりました。勢いのある若手として、経営陣に顔と名前を覚えてもらうことができたのです。
投資に対して向き合ってきた時間は、投資家としての成績よりも先に、サラリーマンとしての成績を上げることに効果を発揮したのでした。