また、今週末の日銀会合を意識したイベントドリブン的な積極的な売買も見られず、様子見姿勢の強い地合いが続いている。仮に今回の日銀会合で利上げを実施しても、市場と日銀の対話がそれなりに取れていることから昨年7月末から8月上旬のような急変動は起きないと想定。植田日銀総裁が段階的に利上げを実施していく、といったタカ派な発言がでれば話は別だが、ハト派な植田日銀総裁からそのような言葉は出ないだろう。
為替は1ドル154円台を付けるなど円安ドル高は一服。円安一服を受けて、トヨタ自<7203>など自動車株の重しとなったが、政府・日銀による為替介入実施観測が遠のいたことは市場にとって安心材料だ。ただ、利上げを見送り、植田日銀総裁が利上げに慎重な発言を行った場合、為替は12月下旬から1月上旬につけていた1ドル158円水準まで一気に戻し、先物市場を中心に乱高下の展開となる公算は大きい。
積極的な買い手が不在の一方、NISAを通じた個人投資家の買いが日本株を下支えしているとの見方はある。実際、昨年9月末時点のNISA経由の個人投資家の買い(2024年からのデータ)は海外投信が多いものの、日本株の割合は33%ほどで4.5兆円ある。単純計算では年間6兆円、毎月5000億円の買い需要が見込まれる。新年を迎え、成長投資枠が復活したタイミングで買いを入れる個人投資家の投資行動を考慮すると、今の東京市場は既に個人投資家による買いがそれなりに入っていた可能性はある。
週末の日経平均は確かに下げ幅を縮小したが、6日連続で陰線を残すなど底堅さは感じられない。個人投資家による年始のNISA買いが一巡したとなれば、需給面はやや悪化すると言えよう。
今週にかけては、日本では20日に11月機械受注、鉱工業生産(確報値)、23日に12月貿易収支、24日に政策金利、12月消費者物価指数などが予定されている。
海外では、20日に中・最優遇貸出金利、米・大統領就任式、21日に英・11月ILO失業率、12月失業率、失業保険申請件数、独・1月ZEW景況感指数、22日にNZ・第4四半期消費者物価指数、23日にトルコ・政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、週次原油在庫、24日に仏・1月製造業PMI、サービス業PMI、独・1月製造業PMI、サービス業PMI、欧・ユーロ圏1月製造業PMI、サービス業PMI、英・1月製造業PMI、サービス業PMI、米・1月製造業PMI、サービス業PMI、コンポジットPMI、ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、12月中古住宅販売件数などが予定されている。