投資情報会社・フィスコが1月20日~1月24日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。日本銀行の追加利上げ期待が高まり、円買いに振れやすい。ただ、米インフレ再加速の鈍化も、緩和的な政策の後退を見込んだドル買いが相場を支えそうだ。
日銀は1月23-24日開催の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの市場の期待が高まり、円買いが優勢となっている。ただ、植田日銀総裁は以前に春闘を見極める考えも示しており、金利据え置きなら円売り優勢の展開に。
一方、米国の12月生産者物価指数(PPI)は高止まりも、12月消費者物価指数(CPI)は市場観測をやや下回った。それを受け、これまでのドル買いがいったん修正され、155円台に大きく値を下げた。
ただ、インフレ指標は再加速が一服したとは判断しにくく、今月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利引き下げは休止の見通し。米長期金利は上昇基調を維持しており、引き続きドルを押し上げる手がかりとなろう。
また、トランプ政権が20日に発足し、政策運営が期待されやすい。関係国への関税強化でインフレが懸念され、長期金利の上昇に伴いドル高基調が強まる見通し。欧州通貨への売りが強まれば、ドル選好地合いを支える。なお、日本政府は昨年7月161円台で為替介入に踏み切った経緯がある。そのため、1ドル=158円近辺では為替介入に対する警戒感が高まり、ドルの上値はやや重くなるだろう。
【米大統領就任式】(1月20日予定)
トランプ米次期大統領は1月20日、第47代大統領に就任し正式に政権を発足させる。新政権発足に伴い政策の推進によるドル買いが見込まれ、ドルは下げづらい展開に。
【日本銀行金融政策決定会合】(1月23-24日開催予定)
日銀は1月23-24日開催の金融政策決定会合で、市場は追加利上げをある程度織り込んでいる。そのため、一段の円買いは限定的。また、利上げ見送りの場合は円売り要因となろう。