「にら」でなくて「ねぎ」にした理由
さて、餃子の次には何を食すか。飲み物のほうは、ひとまずサワー系で行こうと決めている。ケンちゃんは、ここへ来たら必ず食べたい一品として肉団子を提唱。迷わずそれに乗っかることとして、私は、ニラレバもやし炒めでほぼ心が決まっていたのだが、いざ、注文というそのときになって翻意した。
「レバネギ炒め!」
と、勢いこんで、発声していた。なぜそうなったかというと、追加注文をする直前に見た麺類のメニューの中に、「にらそば」の4文字を発見していたからだ。いや、発見というほどはっきりと見たわけでなく、品書きをざっと見渡す視界の片隅に、まるで残像のように過ぎ去ったのが、「にらそば」だったのだ。
常日頃、私は「もやしそば」の5文字の前を素通りできない。が、この日は、「にらそば」が妙に引っかかった。
2025年最初の昼酒、締めは「にらそば」だ。なぜか、そう堅く思い込んでしまったようであり、締めが「にら」なら、途中は「ねぎ」だと思ったにすぎない。
そして、運ばれてきた肉団子。ハーフサイズにしたので小盛りであるが、白髪ねぎが湯気にゆらゆらなびくような絶妙の風情。口に入れるとカリッと揚げてあるようで、歯ざわりもよく、甘辛のタレの塩梅もすばらしい。これと玉子スープとどんぶり飯で大いに満足できそうである。もちろん、サワーに合う。ハイボールも合うだろう。