足元では供給過剰が鮮明であり、米トランプ新政権は世界のEV化の潮流に逆行するような政策を打ち出してはいるものの、技術進歩によるEV化の潮流は不可逆的なもので、長期的にはリチウム金属に対する需要は拡大の一途をたどると予想される。
その重要性から“白い石油”あるいは“白いダイヤ”などと称されるリチウムだが、中国、ロシアをはじめ、非米国同盟国側に重要資源が偏って存在する状況で、米国第一主義、孤立主義の強行は日米欧の関連産業にとって、将来大きな禍根を残すかもしれない。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」も発信中。