街で見かけたフェアレディZに憧れた
西本さんが、スタイリッシュなクルマに興味を抱くようになったのはもうひとつ理由がありました。
「いつのことだったかははっきり記憶していないのですが、街でイエローのフェアレディZ(S30)を見かけたんです。『カッコいいなぁ』と強烈に印象に残ったんです。あんなクルマに乗りたいとも思ったんですが、もちろん簡単に買える価格ではありませんでした」
結局、コロナ・クーペには長く乗ることになるのです。もちろん満足していたのですが、「時間が経つにつれエンジンを始め、色々と調子が悪くなってきたんです。そこで次のクルマを探し出したんです。すでに55歳になっていたのですが、若い頃に私が憧れたあのフェアレディZも代替わりしていて、衝撃を受けたあのスタイルのような魅力も無くなっていました」
そこで西本さんは「そろそろオートマッチックでも」と考えつつも、慣れ親しんだトヨタで「スープラ」、さらにはホンダの「タイプR」系に乗ってみたいと思い、色々なディーラーに相談しました。
次回記事では、「RX-7」との運命的な出会いと、免許返納前の最後のドライブ、そして幸せな愛車の行方についてお届けします。
■後編記事:「とても幸せなんです」80歳主婦が25年間大切に乗り続けた3代目「RX-7」、免許返納と同時に手放した愛車が行き着いた“もっとも幸せな場所”
【プロフィール】
佐藤篤司(さとう・あつし)/男性週刊誌、男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う自動車ライター。著書に『クルマ界歴史の証人』(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。