大統領選で巨額の献金をしてトランプ氏を支援し、新政権で政府効率化省のトップに就任したマスク氏は、なぜ“盟友”の肝煎り事業に噛みついたのか。激突の背景について、ジャーナリストの大西康之氏はこう語る。
「マスク氏は今回の事業の中心企業であるオープンAIの設立時(2015年)にスポンサー的な立場で深く関わったのですが、同社CEOのアルトマン氏とAI開発の方針の違いから決別し、いまや犬猿の仲なんです」
マスク氏は“AIは人類を滅ぼす可能性がある”と考え、一企業が独占するのではなく衆人環視のもとで開発すべきだと主張したが、アルトマン氏が反対し、袂を分かつことになったという。
「その後、マスク氏は自分でAI開発企業『エックスAI』を立ち上げたのですが、今回の事業には関わっていない。ホワイトハウスでの華々しい会見に出席するアルトマン氏を見て、ついカッとなってXにあのようなことを書き込んだのでしょう。私はマスク氏本人に取材したことがありますが、彼は子供っぽいところがありますからね。アルトマン氏のことが憎いから、彼の仲間である孫氏のことも気に食わないのだと思います」(大西氏)
はたしてトランプ新政権のAI計画の行方は──。関連記事《【好機到来のAI関連銘柄10選】トランプ政権肝煎りの「AI開発巨額投資」で上昇期待の日本株、ディープシーク登場の混迷も市場の盛り上がりにつながる》では、ソフトバンクGも含めた「AIブーム2.0」で上昇期待の日本株10銘柄も紹介している。
※週刊ポスト2025年2月14・21日号