トランプ米大統領は1月21日、ホワイトハウスで開いた記者会見にて“史上最大のAIインフラ事業”について明らかにした。会見にはソフトバンクGの孫氏、「チャットGPT」を開発した米オープンAIのサム・アルトマンCEO、米オラクルのラリー・エリソン会長も同席。この3社が中心となり、米国内でAI開発に使うデータセンターなどを整備するための共同出資の新会社「スターゲート・プロジェクト」を設立して孫氏が会長に就く。今後、4年間で最大5000億ドル(約78兆円)の巨額投資計画が発表された。
しかし、世界一の大富豪として知られる起業家のイーロン・マスク氏がは、同日、X(旧ツイッター)で「彼らは実際にそれだけの資金を持っていない。ソフトバンクが確保しているのは100億ドル(約1兆5000億円)未満だ。確かな筋から聞いている」と横槍を入れた。この背景について、ジャーナリストの大西康之氏はこう語る。
「マスク氏は今回の事業の中心企業であるオープンAIの設立時(2015年)にスポンサー的な立場で深く関わったのですが、同社CEOのアルトマン氏とAI開発の方針の違いから決別し、いまや犬猿の仲なんです」
トランプ政権が絡むAI計画が注目を集める以上は、株式市場にとってもAIは重要テーマとなる。トランプ大統領の就任直後にはハイテク株が急騰した。ソフトバンクG、米オープンAIなどによる「スターゲート」事業への78兆円にものぼる巨額投資が1月21日に発表されると、それを受けてハイテク株の比率が高い米ナスダック総合株価指数は2万ポイントの大台を回復するなど株高に沸いた。