“艶めくハチミツ”が市中に出回っている。健康増進、美容効果を謳いながらED(勃起不全)治療薬の成分を含んだ「精力ハチミツ」だ。フランス税関では不正輸入された製品が大量に押収され、当局は健康を害する恐れがあるとして注意を呼びかけた。実はこのハチミツ、すでに日本でも流通しているという。
金色の箱に描かれた、竿立ちの黒い馬。開梱すると、10gずつに個包装されたスティック状のハチミツが1ダース入っている。カラメルのような焦げ茶色のハチミツは、ねっとりと重たく、味が濃い。
一袋飲んだことがあるという49歳男性は、「久々に朝勃ちしたんですよ」と口元を緩ませたが、それが知らずに飲んだ医薬品成分の効果だとしたら素直に喜べるだろうか。
フランス税関は1月20日、ED治療薬の成分が含まれた「精力ハチミツ」について、「消費者は潜在的な危険性を認識していないか、過小評価している」と注意を呼びかけた。昨年11月には、マレーシアから輸入された約86万本、計13トン以上のハチミツを押収した。
ハチミツは「ブラックホース」「バイオマックス」などの商品名で流通し、表向きは健康食品を謳う。しかし、ED治療薬成分である「タダラフィル(薬品名:シアリス)」が含有されていると発覚。フランスでは不法輸入が増加し、昨年は過去最高の押収量になった。 こうしたハチミツが日本でも出回っていると解説するのは流通事情に詳しい「裏モノJAPAN」編集部の仙頭正教氏だ。
「複数の類似商品があり、『VIP』『プレミアム』『ゴールド』などとランク分けがされています。
入手法はネット通販、フリマアプリ、繁華街の店舗や路上で手売りするキャッチなど。手軽に一口で飲めるゼリー状のもので1箱12袋入り1万円前後。路上では1袋200円ほどでバラ売りするキャッチもいます」