労働人口の増加率、都市化速度などから推定した潜在成長率はもっと低いはずだ。6.5%成長しなかったとしても、社会が混乱するようなことはない。
財政赤字率は3%で昨年と同じだが、赤字額は2兆3800万元で、昨年と比べ2000億元増加する。赤字幅拡大の要因は減税である。積極財政は継続される。
M2(マネーサプライ)、社会融資規模残高の伸び率は12%前後で、昨年と比べ1ポイント引き下げられた。金融政策に関しては、緩和から中立に向かうようだ。
国務院は、不良資産、債券のデフォルト、シャドーバンキング、インターネット金融などにおけるリスクの累積を警戒している。金融監督管理体制改革を推し進め、突出したリスクを秩序立てて解消、処理し、金融秩序を整理・規範化し、金融リスクの堅牢な防火壁を作るとしている。これだけ見ると、景気過熱下の経済政策である。
景気は相変わらず好調である。
2月の製造業PMIは51.6で、1月の51.3と比べ0.3ポイント改善、本土の市場コンセンサスである51.2を0.4ポイント上回っている。
こうした中で、国務院は今年も供給側改革を深化させ、一帯一路戦略を加速させる一方、PPP(公民一体)プロジェクトの拡大、混合所有制改革を進める方針である。