水面下で進む消費増税路線
それだけに財務官僚との人脈は豊富だ。
「当時苦労を共にした勝さんをはじめ、野田さんが総理時代に秘書課長だった茶谷栄治・前次官や財務大臣時代に税制二課長だった新川浩嗣・現次官、秘書課課長補佐だった吉野維一郎・主計局次長とは気心の知れた仲です。その部下の財務官僚たちも〝野田さんの恩に報いなければ”と、電話一本で野田さんのためなら何でもやるという姿勢です」(前出・財務省担当記者)
経産官僚出身で立憲民主党の元代表代行、「ゼロの会」会長の江田憲司も、財務省は政界工作で人脈をフルに利用すると語る。
「財務省の組織力の強さは、親類、人脈など政治家の係累を全部把握するんです。そういうリストがあって、この官僚はかつて野田さんの秘書官室にいたとか、係累の官僚を動かしたうえで、担当部局の課長や局長がその議員を訪ねれば、事はスムーズに進む。
議員会館で会う場合は表向き、『予算についてのご説明です』と言って訪ねるが、ひと通り話が終わると、『ところでこの案件はどうお考えですか』と根回しするやり方です。財務省は水面下で、消費増税路線のために、自民と野田執行部をくっつけようとしているでしょうね」
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※週刊ポスト2025年2月14・21日号