パチンコで負けるくらいならグッズを買ったほうがいい
とはいえ、パチンコ・パチスロに興味がない人々を呼び込むのは、そう簡単なことではない。都内に住む20代のアニメファンAさんはこう話す。
「自分の好きなアニメがパチンコになったので、初めて打ちに行ったんです。でも、パチンコの液晶画面を見ていても、何が行われているのかイマイチわからないし、どう楽しんでいいのかもわからない。それに、どんどんお金が減っていくのも怖い。これならグッズを買ったり、映画を何回も観に行ったりしたほうがいいなと思って、それっきり打ってないです」
アニメやゲーム、あるいはタレントを起用した機種のなかで、ヒットするかどうかは“スペック”による部分が大きいと藤井氏は話す。
「ちょっと古い話ですが、2014年に導入された『CRぱちんこAKB48』は販売台数20万台を超える大ヒットとなりました。当時のAKB48は社会現象的なブームだったので、グループのファンがホールに押し寄せたかと思いきや、意外と中高年以上の既存のパチンコファンが楽しんでいたんです。というのも、この機種は大当たりの初当たり確率が1/199と比較的高いわりに、確変に入ったらそこそこ連チャンするという、バランスがいいスペックだったんです。つまりAKB48の映像を楽しむファンよりも、一般のパチンコユーザーに刺さったということですね。
アニメやゲーム、タレントなどのコンテンツは確かに入口としての話題性はありますが、そこから新規ユーザーを獲得できるかどうかはまた別の話。既存のユーザーに支持されることと新規ユーザーを獲得することを両立するのは、簡単ではないと思います」(藤井氏)