クリエイターみたいな人が沢山いた
ニコ動が中高時代の全てだった、と言うほどのめり込んでいた神奈川県在住のYさん(20代男性)に話を聞いた。今のニコ動の過疎化は、「仕方ない」と悲しむ。
「15年前はクリエイターみたいな人がニコ動には沢山いて、他サイトで見ることができない動画を楽しみに、暇さえあれば見ていました。ふざけた動画にコメントが流れて、それを楽しむのも他のサイトにはない魅力です。ニコ動発祥の文化やミームも数えきれないくらい生まれたと思っています。ただ、ある時からプレミアム会員の押し付けが増え『だったらYouTubeでいいや』と見る機会がなっていきました」(Yさん)
Yさんは「規制は必要だった」というが、それがニコ動離れを加速させたと分析する。
「著作権を無視した違法な動画やMAD、様子のおかしい生配信がほぼ放置されていた面もある。それが社会に許容されなくなったんです。例えば、公園でボール遊びが禁止になって、次は大声が禁止……、こうなると誰も遊ばなくなり、他へ移動します。ニコ動も同じで、人が離れるのはしょうがないです」(前同)
東京都在住のSさん(30代男性)もニコ動ファンで、「昔は、“ニコ厨”(ニコニコ動画中毒者)と言われていた」と振り返る。
「ニコ動よりもYouTubeの方が無法地帯だった時代があって、そのあたりからニコ動を観ることが少なくなった覚えがあります。ただ一度は離れましたが、弾幕シューティングゲームが流行したあたりで、二次創作を目当てにニコ動へ戻りました。今思えばクリエイターたちの“遊び”が見たかったんです。こうしたクリエイターがTwitter(現X)やYouTubeに移って、ユーザーたちもその人たちと共に別のプラットフォームに移動したのでは。
ニコ動が廃れるのは悲しいですが、当時画期的だった動画サイトってだけで、そこからあまり改良も加えられず、今でもUIの使いにくさは変わっていませんね。アップデートされて続けているYouTubeに流れるのは当然だと思います」(Sさん)
新しいコンテンツを多数生み出してきたニコ動。ユーザー離れが加速するなかで、どのような生き残り策を模索するのか。