ドナルド・トランプ氏の米大統領選就任後、米国の株式市場は連日のように過去最高値を更新したが、投資家たちはトランプ氏のどんな政策に注目しているのか。
海外金融機関の動向について詳しいパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ代表取締役の宮島秀直氏が解説する。
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2月の上旬に、全世界の主要な外国人投資家(合計55)にヒアリングをおこなったところ、8割以上の投資家が、「株式市場には大きな影響はなく、投資スタンスを変えることはない」と回答している。反応しているのは短期投資主体のヘッジファンドの一部だけ、という結果となった。
では、外国人投資家が何に注目しているのかというと、トランプ政権の経済政策の目玉である税制改革の行方だ。具体的には、減税の規模とその内容である。
現状では、法人税や個人所得税の減税、相続税の撤廃といったメニューが並んでいるが、注目されるのはその規模である。
大統領自身が「驚くべき税制改革」と語るように、最大5.9兆ドルに上るとされている。減税は2018年から10年間にわたって実施される予定だが、それでも年間5900億ドル(日本円で約67兆円。1ドル=114円で算出)という途方もないものだ。
米国の過去に実施された、大型減税と呼ばれたものと比較しても抜きん出ている超大型となっている。