2025年も金人気は続くのか?
おそらく今年も金人気は続くと考えられます。その理由はふたつあります。
まずひとつは、世界的にインフレ傾向が続いていることです。とくにアメリカでは、トランプ大統領による関税引き上げが実施される可能性が高く、それがアメリカ国内の物価を上昇させると予想されます。
もうひとつは、米中対立の激化など政治的なリスクが高まっていることです。安全資産として、やはり金を持っておきたいという投資家は引き続き多いでしょう。
金プラスサムシングの投資信託が続出
金投資をより負担なくするための手段として、「金プラスサムシング」の投資信託が、昨年末から続々と登場しています。
■明治安田ゴールド/オール・カントリー株式戦略ファンド(2024年11月~)
まずは、世界株式と金の両方に投資し、インフレにも備える「明治安田ゴールド/オール・カントリー株式戦略ファンド」(愛称ゴルカン)。これは、いわゆるオルカンの愛称で親しまれている世界株式ファンドと同様の株式と、金を、市場のセンチメントに合わせて配分を変えつつ投資する投資信託です。
リスクオンのときは、世界株式100% 、リスクオフのときは、株式10%・金90%と、個人では、なかなか難しい資産配分のやりくりを自動で行ってくれます。信託報酬は1.023%(税込)。新NISA成長投資枠で購入可能です。
■Tracers NASDAQ100ゴールドプラス(2024年12月~)
ふたつめは、守りと攻めを両取りする「Tracers NASDAQ100ゴールドプラス」です。これは、先物取引のレバレッジを活用して、米国株式をファンドの純資産総額の100%、金も先物を利用して100%、合わせて200%相当額を運用するというアグレッシブな投資信託です。金とNASDAQ指数の両方が下がったときのダメージは大きいですが、逆に、両方が上昇傾向にあるときのリターンも大きくなります。信託報酬は0.2189%(税込)と低いのも魅力。ただし、レバレッジ商品なので、新NISAでは購入できません。
■ゴールド・インカムプラス(2024年12月~)
最後は、株式一辺倒からの脱却したい人向きの「ゴールド・インカムプラス」。これは金と米国国債の組み合わせです。新NISAの人気商品といえば、オルカンとS&P500が圧倒的人気で、株式に偏りすぎている傾向があります。そのリスクを分散する商品へのニーズが高いことにより作られた投資信託です。こちらも、米国国債と、金の先物を使ってそれぞれ100%ずつ、純資産総額の2倍にレバレッジをかけて運用します。信託報酬は年1.056%。株式以外の資産をポートフォリオに組み入れたい人に、ささりそうな投資信託です。
金と株式や債券が組み合わさった3種の最新投信の特徴比較
純金投資の場合、売却益が出た場合の税処理が煩わしいという人にも、投資信託を利用した金投資は向いています。ふたたび金投資に注目が集まっている今、検討してみる価値はあるのではないでしょうか。