「ホモソいじりをする男は、コンプレックスの裏返し」
ネット広告代理店に勤務する男性・Bさん(29歳・エンジニア)は、大学入学時から「ホモソいじり」に苦しんできた一人だ。
「大学に入ってすぐに、私立の中高一貫の男子校から来た友人に『だからお前は童貞なんだよ!』『まじで彼女いたことないとか、やばくない?』『お前ダサいからしゃーないか(笑)』などと、女性がいる前で言われたことがあります。とても嫌な気持ちになりましたが、大学で友達ができないことを恐れて『嫌だ』と言えなかった。
不愉快なのに、『だよな、俺も自覚あるわー』などと合わせて、自虐ネタで乗り切りました。その後も、思えばずっと『いじられキャラ』で、久しぶりに大学の友人に会ったときも、『お前は童貞なんだから風俗に行けよ』などと笑われ、最低だと思った。今思えば、最初に『全然笑えない』と言えたら良かったんですが……。
僕はこうした言動は男のマウントの取り合いだと思っています。大人になった今だからわかりますが、結局そういういじりをしている奴は、歳を取ると裏で馬鹿にされる。『あいつ、いい歳してまだそういう笑いしか取れないんだ』と。きっと本人の心の奥にコンプレックスがあるから、自分よりも弱そうな男にマウントを取り、安心したいのでしょう。今なら哀れだなと思えますが、学生時代は素直に傷ついてしまうのです」(Bさん)
「女性蔑視(ミソジニー)の会話に耐えられなかった」という男性
不動産会社に勤める男性・Cさん(34歳・営業職)は、幼い頃から男社会から排除されないように、無理に不快な会話に合わせて演技をしてきたと振り返る。
「大学卒業まで彼女がいたことがなかったのですが、それを言ったらバカにされると思って女性経験があるフリをしてきました。大学時代のサークルの先輩は『風俗最高』とか『学科でヤレそうな女はだれ?』『ブサイクランキングつけようぜ』などと女性蔑視発言をする人が多く、周りの学生たちもそれに乗っかっていました。僕自身は姉と妹がおり、女性をいじる会話がすごく嫌だったのですが、サークル内で孤立したくなく、また『寒いヤツ』という扱いをされたくなかったので、演技をして合わせてしまっていた。大人になってからすごく後悔しています」(Cさん)