億り人の投資術とは(写真はBコミさん)
「タリフマン(関税男)」と自称するトランプ米大統領に世界中が左右されている。日経平均株価は年初に4万円台を記録したものの、その後はトランプ大統領が「関税」を交渉材料に世界中を振り回し、一進一退の展開が続いている。混迷を極める市場でどんな投資術を実践すれば良いのか。「資産1.5億円超のBコミさん」こと坂本慎太郎さん(こころトレード研究所所長)に聞いた――。
証券会社で株式売買するディーラーとして5年、生命保険会社で株式と債券のファンドマネージャー、ストラテジストとして7年の経験を持つ坂本さんは、これまでの経験で培った幅広い視点で相場をとらえ、メディア出演も数多い。その原点は小学生時代にあったという。
「株式投資に興味を持ち始めたきっかけは、小学校3年の頃にやっていた株式投資のゲームでした。大学に入ってからはバイトで貯めたお金で株式投資をするように。卒業後はメーカーに就職したんですが、ディーラーを募集していた証券会社へ転職しました。運用した利益を半分もらえる歩合給で、20代で年収1億円以上を達成できました。
26~27歳でFIRE(経済的自立と早期退職)して証券会社を辞めたのですが、もっと幅広く勉強しようと思い、保険会社でファンドマネージャーやストラテジストの経験を積んで、35歳で独立。株式投資の評論でメディアに出演しつつ、投資スクールを運営するこころトレード研究所を立ち上げました」
ディーラー時代に培ったデイトレードを中心とした短期売買、機関投資家である保険会社時代の長期投資など複合的な視点で「テンバガー(10倍株)狙い」や「高配当株投資」などさまざまな投資術を駆使して、個人投資家として億を超える資産を築いた。
「ただ、株が好きすぎて、いまはあえて距離を置くようにしています。デイトレードは投資助言に登録している関係でレギュレーション上できないので、基本は長期投資です。短期売買をやらないことでむしろ相場全体を俯瞰して見られるようになったため、分析精度の向上につながっています。
私が資産を増やせたのは、お金が大きく減る選択をとらないよう常に意識してきたことが大きいと思います。短期投資やギャンブル的要素が含まれる投資は額を絞って限定的に行なってきました。だから株式以外にも、債券や不動産、太陽光発電などに投資するほか、さまざまな事業も行なっています。私の人生を支えるポートフォリオを広げ、分散しているわけです」