ガンダム最新映画の上映館は「ファーストガンダム」を知らない世代で賑わう
公開約1か月で観客動員数172万人、興行収入28.2億円を突破した劇場先行版『機動戦士Gundam GquuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-』。2月22日からMX4D版/4DX版(座席が動き臨場感や没入感を高める体験型上映システム)の上映が始まり、ますますの盛り上がりが予想される。往年のファンのみならず、若い世代にガンダムシリーズが刺さり、支持され続けるのはなぜなのか。フリーライターの池田道大氏がレポートする。【前後編の前編】
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本作は、人気テレビアニメガンダムシリーズの最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(日本テレビ系列で4月8日より放送予定)の劇場先行版として公開された。ガンダムシリーズを制作するサンライズと『エヴァンゲリオン』シリーズを手がけるスタジオカラーがタッグを組んだ初の共同制作作品で、監督は『エヴァンゲリオン新劇場版』シリーズの鶴巻和哉氏が務める。
ガンダムシリーズは1979年に始まった。特にアムロ・レイやシャア・アズナブル、ララァ・スンといった名キャラクターが勢ぞろいした第1作はファンの間では「ファーストガンダム」とも呼ばれ、中高年のオールドファンの間で絶大な人気を誇る。
1980年代以降は『機動戦士ガンダム』の続編にとどまらず、年代ごとに様々な作品群が作られ、新たなファンを獲得してきた歴史がある。今回の劇場先行版『GQuuuuuuX』でも、映画館には多くの若者が詰めかけ、SNSへの書き込みも多い。「ファースト」世代だけでなく、20代を中心にしたZ世代も熱中しているように見える。
なぜ、『機動戦士ガンダム』を観ていない人も多いZ世代がガンダムシリーズ、今回の『GQuuuuuuX』を支持するのか。ヒットの裏側には何があるのか。実際に若い世代の人たちに聞いてみた。
「ガンダム」のサンライズと「エヴァンゲリオン」のカラーの初タッグが注目された(c)創通・サンライズ
「ガンダムにはブランド力があるんです」と語るのは、20代の男子大学生・Aさん。
「ファーストガンダムを見たことはないけど、お台場に大きなガンダムがあったのは知っています(笑)。ガンダムというブランド自体がとても強力で、多くのシリーズ、映画、ゲームが作られたから、若い世代もガンダムを知っています。そういう人たちがSNSの口コミによって『GQuuuuuuX』に興味をもったのではないでしょうか」(Aさん)