また、昔ながらの「同調圧力」がさらにハイパー化して作用した面もあるようだ。原田氏が続ける。
「思春期は友達との会話がすごく大事で、仲間内の話題についていく必要があります。しかも今はYouTubeやTikTokなどの登場によってコンテンツの量が昔よりも爆発的に増えて、“バズる”という現象が現れました。それにより、“友達と同じことを知っていないといけない”という同調圧力が、私達の若い頃とは比べ物にならないほど強くなった。
昔はフジテレビの月9ドラマだけ見ていればよかったけど、Z世代は多方面に目を配らないといけません。ガンダムにそこまでの圧があったかどうかはわかりませんが、口コミで評判が広まったから『観ておかないと』と思った若い子も結構いるかもしれません」
GQuuuuuuXを操縦する主人公マチュ(c)創通・サンライズ
ヒットの要因は様々だが、ガンダムシリーズには時空を超えた魅力があるのは確かなことのようだ。サンライズとカラーの初タッグで注目される『GQuuuuuuX』は、ガンダムシリーズの歴史にどんな足跡を残すのか。
つづく記事《『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-』のヒットを後押しした「ネタバレ自粛」作戦 “タイパ・コスパ重視”のZ世代も「好きな作品の楽しみを守りたい」と配慮に賛同》では、同作のヒットにつながった「ネタバレ自粛」作戦について、解説する。
取材・文/池田道大(フリーライター)