同作の主人公マチュが操縦する最新鋭ガンダム「GQuuuuuuX(ジークアクス)」(c)創通・サンライズ
人気テレビアニメ『ガンダム』シリーズの最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』の劇場先行版として公開中の映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』。ガンダムシリーズを手がけるサンライズと『エヴァンゲリオン』シリーズを制作するスタジオカラーによる初の共同制作作品として話題になり、公開約1か月で観客動員数172万人、興行収入28.2億円を記録した。今回のヒットにまつわるキーワードは「ネタバレ自粛」だという。いったいどういうことか。フリーライターの池田道大氏がレポートする。【前後編の後編。前編から読む】
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映画『GQuuuuuuX』がヒットした要因として、ガンダムシリーズのブランド力や「エヴァ」に親しんだ若者からの期待などのほかに、「ネタバレ自粛」を挙げる声もある。
『GQuuuuuuX』公式サイトなどは映画の公開前からストーリーやキャラクターに関する情報を制限して予告動画からネタバレ要素を排除。ガンダムのプラモデルを製造・販売するBANDAI SPIRITSは公開前日に『GQuuuuuuX』についてのSNS投稿や動画配信でネタバレに配慮するよう呼びかけた。また公開後、ガンダム公式YouTubeチャンネルは鑑賞済みの人々が自由に感想や考察を書きこめる「ネタバレ無制限フリーチャット」を開放して、ネタバレの“囲い込み”を行った。
こうしたネタバレ対策が奏功したのか、映画を鑑賞したファンの多くが公開後も頑なに「ネタバレ自粛」を守った。その上でXでは「とにかくすごいから早く劇場で見て」「公式がネタバレ解禁する前に鑑賞すべき」などと勧めるケースが目立った。
それどころか、ネタバレ対策として意図的に「デコイ(偽)情報」を流し、“ホントかウソかわからない状況”を作り出してごく一部のネタバレを攪乱する者まで現れた。
劇場販売のパンフレット(豪華版)には「ネタバレ閲覧注意」の警告が…(映画の鑑賞者提供)