“優待弁護士”澤井康生氏が手にした株主優待の数々
1年で最も優待銘柄が多いのが3月だ。2025年3月の優待銘柄は832銘柄に上る。3月末が権利確定日の銘柄の場合、2025年3月の優待権利を取得するには権利付き最終日の3月27日までに株を所有しておく必要がある。警察官僚から警視庁刑事に出向した経験もあり、さらには弁護士に転身して活躍する澤井康生氏(53)が保有する約250銘柄は「ほぼ優待銘柄」だという。“優待弁護士”として知られる澤井氏が、3月権利確定の株主優待銘柄の傾向と対策を語った。
気になる銘柄は早めにチェックする
株主優待を導入している上場企業は約1500社あるが、この半数を超える800社以上が株主優待を実施(権利確定)するのが3月で、個人投資家は「株主優待祭りの月」と呼ぶ。澤井氏にとっても、優待銘柄を選ぶのが楽しみなシーズンという。
「優待を廃止する銘柄もありますが、新NISAが2024年1月に始まってから、個人投資家に株式を保有してもらうことを目的に、優待を新設・拡充する銘柄が多くなっている印象です」(澤井氏。以下「」内、同じ)
澤井氏が株主優待目的の株式投資を始めたのは約10年前。3月末に優待権利が確定する銘柄の傾向について同氏が説明する。
「3月に入ると、権利付き最終日が近づくにつれて優待銘柄の株価が上がっていく傾向があります。人気銘柄は2月から徐々に上昇していく場合があるので、私は早めにチェックして2月中までに買うことが多い。権利付き最終日の直前になると、人気銘柄は優待狙いで購入する投資家が増えて高騰する場合もあるので、3月の優待銘柄の購入を検討する際は早めに株価などをチェックして割安で買えるタイミングを狙うといいでしょう」
購入のタイミングについて澤井氏は、上昇トレンドのなかで株価が一時的に安くなった時に狙う「押し目買い」を好むという。
「理想としては3月末の権利付き最終日の1か月前までに購入しておきたいのですが、3月の権利付き最終日まで株価が上昇していた銘柄でも、マイナス材料が特にないのに権利付き最終日1~3日前に急に下がる時があります。おそらくキャピタルゲイン(値上がり益)狙いで投資家が利益確定の売りを出したことによるものです。
そうした銘柄を見つけた時は、“しめしめ”と買うこともあります(笑)。権利付き最終日の1~3日前に優待銘柄の株価を確認すれば、株価が高騰して諦めていた銘柄を手にできるチャンスの可能性があるのです」