モリタク流「お金に縛られない」鉄則
特に縁を切るべき仕事の最たるものが、「ブルシット・ジョブ」だと森永さん。「クソどうでもいい仕事」などと訳され、“社会に何の影響ももたらさず、働く当人も意味がないと思いながらやっている仕事”のこと。お金のためだけにやりがいを感じられない仕事を続けることは、「人生最大の損失」だと断言する。
「創意工夫のない仕事は、何の喜びもないから、とても疲れる。部屋に帰って泥のように眠り、翌日また同じ仕事を繰り返す。何のために生まれてきたのかわからない人生だ」
森永さん自身、必要なお金を確保したからこそ、仕事を自由に選べるようになったという。
「私は自分の出演料や原稿料が法外に高いという批判を、しばしば受ける。だが、私はすでに十分な貯蓄を確保しているので、やりたくないが『どうしても』と頼まれた仕事については、それ相応の対価を要求しているだけだ。反対に、自分がどうしてもやりたい仕事については、単価に関係なく引き受けている」
お金とは、自分の自由を守るための「武器」でもあるのだ。
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【プロフィール】
森永卓郎(もりなが・たくろう)/1957年7月12日生まれ。東京都出身。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍。2025年1月28日に逝去(享年67)。森永さんが実践を通して綴った遺稿は『森永卓郎流「生き抜く技術」31のラストメッセージ」(祥伝社・3月3日発売)に詳しく掲載されている。
※週刊ポスト2025年3月14日号