「これまでにない手間が増えた」店員も嘆き
店側はどう感じているのだろうか。50代男性・Dさんが働く都内のスーパーでは、数年前に有人レジを半減させ、セルフレジを設置したというが、「最近、裏目に出ています」と語る。
「有人レジはあるのですが、並ぶ人が多くて、『早くしろ』などと声を荒らげる人もいます。セルフレジ導入で有人レジの混雑が緩和されると期待していたのに、むしろ大行列。有人レジに並んでいる人にセルフレジがありますよ、と案内するスタッフもいるのですが、先日は『それが嫌だから並んでるんです』と言う人がいて、そりゃそうだな、と思ってしまいました」
有人レジの混雑による弊害もあるという。Dさんは「有人対応が必要な人が不便をしています」とその実情を明かす。
「有人レジがあまりに混んでいて、赤ちゃん連れや、体が不自由な方など、有人レジのほうが圧倒的に買い物がラクな人がセルフレジを使っていることがあります。もちろんお手伝いのお声がけをするのですが、これまでになかった手間が増えていることは店員も感じています。店側の人件費削減と業務効率化、お客様側の利便性を図ったはずのセルフレジなのに、かえって両方の負担が増えてしまうのは本末転倒ですよね」(Dさん)
メリットだけでなくデメリットへの指摘も増えているセルフレジ。客側からも店側からも、「もう少しよい方法がないものか」と模索する声が出ているようだ。