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キャリア
年金暮らしの家計簿

「年金の範囲内で暮らせています」高齢女性たちのリアルな家計と暮らし 「30代から個人年金」「46才での離婚後に貯金」…老後を支える事前準備

夫婦で育てた野菜。新鮮でおいしいだけでなく家計の助けにもなる

夫婦で育てた野菜。新鮮でおいしいだけでなく家計の助けにもなる

現役時代から年金生活に備え、月給のみで生活

 こんすけさん(仮名、74才)は、兵庫県在住。自宅は持ち家で、75才の夫、38才の息子と3人暮らし。56才まで化粧品会社の販売員として働く。いまも月に2回、フリーペーパーの配布で収入を得ている。

「贅沢をしなければ、夫婦の年金を合わせた約24万3000円(夫16万2000円、こんすけさん8万1000円)で暮らしていけますが、慶弔費などの臨時出費は貯金で賄っています」と語るこんすけさん。

 生家が商店だったせいか、子供の頃から節約は得意。若い頃から収入の15%くらいを貯金し、結婚してからも貯金を心がけて、家計管理をしっかり行ってきたという。

「夫はサラリーマンだったので、赤字が出ても、ボーナスで穴埋めできました。でも定年後はボーナスに頼れないことに気づき、1年間は月給だけでやりくりして、年金生活に備えました」(こんすけさん・以下同)

こんすけさんの家計簿(1人分)

こんすけさんの家計簿(1人分)

 貯蓄や家計管理を現役時代から計画的に行ってきたが、それでも、最近の物価上昇は不安だという。

「野菜は自家栽培で家計の足しに。53才から始めたフリーペーパーの配布は、月に1万5000円の収入になるので、体力が続く限りこれを続けて少しでも余裕を作りたいですね」

 お金をかけない趣味も見つけた。

「近くの大学の公開講座が楽しいんです。勉強になるうえ、役立つ情報も得られますから」

兵庫大学の公開講座を年間約7000円で受講するのが楽しみ

兵庫大学の公開講座を年間約7000円で受講するのが楽しみ

 稼ぎはわずかな額でもいい。仕事を見つけて長く続けることは、金銭的な余裕だけでなく、心のゆとりも生む。50代の現役時代に、定年後に長く無理なく働ける仕事を見つけておくことも、貯金と同様、大切なようだ。

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