S&P500の時価総額基準はTOPIXとは桁違い
こうして比べてみると、投資対象として魅力的なのはS&P500のほうだと考える人が多いのもうなずけます。まず時価総額の基準が桁違いです。S&P500は最低で約140億ドル(日本円で約3兆円)ですが、TOPIXは、現状では、100億円未満の企業も多数在籍しています。今後、段階的に除外される予定ですが、かなりゆるいルールです。
また、S&P500には財務状況の基準もありますが、TOPIXは、プライム市場に上場していれば、連続赤字でも除外されることはありません。
どちらのチームが強いかを考えれば、答えは明白でしょう。実際、S&P500が、長期的に右肩上がりを続けているのに対して、TOPIXは、バブル崩壊後、長く低迷していました。今後も、同じルールで構成銘柄が採用されるのであれば、まだまだS&P500を選ぶ人は増えてくるのではないでしょうか。
もちろん個別でみれば、日本株にもアメリカ株以上に成長する銘柄もたくさんあります。あくまでも指数投資をするならば、の話です。
今回のまとめ
・S&P500は時価総額・財務状況の厳しい基準があるが、TOPIXは上場すれば自動採用。
・S&P500は強い企業が厳選されるが、TOPIXは赤字企業も含む
・S&P500は長期的に右肩上がりなので、指数投資ならS&P500が優位といえる。
【プロフィール】
藤川里絵(ふじかわ・りえ)/個人投資家・株式投資講師・CFPファイナンシャルプランナー。2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を広めるため活動し、DMMオンラインサロン「藤川里絵の楽しい投資生活」を主宰。本稿の関連動画がYouTubeにて公開中。