米国の代表的企業が上場しているニューヨーク証券取引所
新NISAのつみたて投資枠で上位に位置しているのが米国の代表的な株価指数S&P500に連動するインデックス投信だ。海外の株価指数にもかかわらず日本でもこれだけの人気を集めている理由は何だろうか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第132回は、「インデックス指数」について。
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新NISAのつみたて投資枠への流入額でつねに上位に位置するのが米国のS&P500に連動するインデックス投信です。代表的なものは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」で、わたしも毎月コツコツつみたて投資をしています。なぜ日本人でありながら、TOPIXではなく、S&P500を選ぶのでしょう?
S&P500とTOPIXの違い
S&P500とTOPIXは、それぞれアメリカと日本を代表する株価指数ですが、計算方法や銘柄の選び方、構成企業の特徴などに違いがあります。
算出方法から入れ替えルールまで「S&P500」と「TOPIX」を比較
S&P500の構成銘柄は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が、以下の基準をもとに500社を選出します。
・時価総額:最低で約140億ドル以上(基準は変動)
・財務状況:直近4四半期の合計利益がプラスであること
・流動:取引量が多く、流動性が高いこと
その他、米国企業であることが条件です。
銘柄の入れ替えは、定期的に行われるわけではありませんが、業績悪化、買収・合併、流動性の低下などがあれば、必要に応じて行われます。2023年にはTeslaやNVIDIAが採用された一方で、パフォーマンスが低下した企業が除外されました。
一方のTOPIXは、基本的には上場すれば自動的に採用されます。
・上場市場:東証プライム市場に上場
・流動性:売買高が一定水準以上
・時価総額:100億円未満の企業は段階的に除外される(移行措置あり)
市場の変更や上場廃止になると自動的に除外され、新規上場企業がプライム市場に上場すると自動的に追加されます。