「イベント投資」との出会いをきっかけに、安定して利益を出せるようになったという(写真:イメージマート)
会社勤務を続けながら株式投資により33歳で億り人となった、「まつのすけ」さん。40代となった現在は起業して投資を続ける一方、クレジットカードや電子マネーの活用法をブログなどで発信している。著書『33歳で1億円達成した僕が実践する一生モノの億超え投資法』(KADOKAWA)なども話題となったまつのすけさんに、投資家としての心懸けを聞いた。
ライブドアショックで大きな損失を出した“ダメ投資家”時代
「僕は幼い頃からお金では苦労してきました。大学時代は家賃2万円で、キッチンもトイレも風呂も共用の学生アパートに住んでいた。投資を始めたきっかけは、就職した年に小泉純一郎内閣の規制緩和で日本株が盛り上がり、株式投資で儲けたという話が氾濫していたからです。じゃあ僕も、と始めたわけです。
まず、元手になったのは40万円の貯金でした。当初は市況が良かったので、適当に買った株式で儲かりましたが、すぐに2006年のライブドアショックがあって大きな損失を出してしまいました。その後は一進一退で、なかなかうまくいかない“ダメ投資家”の時期が続きました」(以下「」内の発言はまつのすけさん)
転機となったのは、「イベント投資」との出会いだったという。「イベント投資」とは、定期的に起きる出来事に対して決まった傾向の値動きをする銘柄を調べ、再現性の高いものをターゲットに待ち構える投資法だ。
「当時はブロガーが流行り始めた頃で、株について書いている人のブログを参考にしたり、決算がよさそうな銘柄を買っていたが、そういった他人の“モノマネ”ではタイミングが遅れてなかなかうまくいかなかった。市況がよければ利益は出るけど、微々たるものでした。
そんな時、クロス取引(優待銘柄の購入と同時に、同じ株価、同じ株数で信用取引の売りを入れる手法)というやり方の情報を聞いて、やってみたんです。株主優待にはまったく興味はなかったが、当時は日本株の株価が低かったので、1~2か月前からのクロス取引で1~2%の利益が出る銘柄がありました。
1~2か月前に建てたクロス取引ではやたらと売りのほうで損が出ることが多く、株主優待で人気の銘柄は、優待の権利確定日が近づくと株価が上がる傾向に気が付きました。世間より先に買っておく“優待先回り投資”と呼ばれるものです。
ブログなどで紹介されている優待銘柄への投資を真似るだけでは勝率が悪かったため、自分で過去10年近くのデータを遡って、パフォーマンスがいい銘柄を見つけたら投資するようにしました。直感で良さそうな銘柄に投資していた頃に比べて、安定して利益が出るようになりましたね」