峯村氏が言う。
「台湾の併合に動くに際し、中国にとって最も重要な要件は米軍が軍事介入してこないことです。流石に露骨な軍事侵攻は米軍が動く可能性があって習氏にとってもハイリスク。
海上封鎖したうえでエネルギーや物資が不足した台湾を情報戦でも揺さぶって内側から崩壊させるシナリオの可能性が高いと見ていますが、それに際しても、米軍の最高指揮官であるトランプ氏が『台湾併合を黙認する』との確証が得られることが、習氏にとってのGOサインになるでしょう」
ウクライナやグリーンランドをめぐる問題がどう決着するかは、その判断につながってくる。それ以外の部分でも「最近、台湾の頼清徳・総統の支持率が初めて5割を切り、支持基盤が揺らいでいることも中国にとっては好機」(同前)となっているのだ。
台湾有事のXデーが来れば、当然ながら日本への影響も甚大だ。台湾との半導体貿易などが滞る経済的リスクは大きいし、東アジアで米軍が動かなければ中国の軍事的脅威により直接的に晒される事態となる。
トランプ2.0がもたらす外交安全保障の課題にどう向き合うか。対応が急務だ。
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※週刊ポスト2025年3月21日号