「オルカン一辺倒」投資にはどんなリスクがあるか(藤野英人氏)
昨年始まった新NISA(少額投資非課税制度)の口座数は2500万超となった。初心者の主な投資先は売れ筋の投資信託に集中するが、果たして“一辺倒”でいいのか。「ひふみ投信」をはじめ「ひふみ」シリーズの運用会社であるレオス・キャピタルワークスの創業者・社長で、「伝説のファンドマネージャー」として知られる藤野英人氏が解説する。
新NISAが2年目を迎え、投資への関心はより高まっている。リスクを減らす基本の考え方として「長期・積立・分散」が知られるようになり、世界中の株に分散投資する“オルカン”こと「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」や米国の有力500社で構成される「S&P500」に連動するファンドが人気を集める。
この数年は順調に上昇しており、「新NISAの投資先はオルカン1本で十分」という専門家もいる。だが、「トランプショック」が続く今年2月から下落基調に転じた。“ほったらかしでも安全”とされた人気商品に不安が募るなか、どのように資産形成すればいいか。
藤野氏は「オルカン」や「S&P500」について「保有している人は下落したからといって売らないでほしい」と説く。
「まず新NISAはぜひとも活用すべき制度です。すでにオルカンなどに投資している人は海外に分散投資する重要なプロセスを歩んでいるところなので『解約しないでね』と伝えたい。
長期でつみたて投資する良さは、下がった時に買いだめすることで株価が戻った時により大きな含み益が期待できるところ。低迷している時に我慢してどれだけ投資するかがポイントで、一時的に下がったところでやめるのはもったいない」(以下「」コメントは藤野氏)