3月は株主優待のシーズン(写真:イメージマート)
一時は下火になりかけた株主優待の拡充・参入に動く企業が増えている。3月は優待シーズンとされるが、最新のトレンドや優待投資のタイミングを、億り人はどう考えているのか。
トヨタ自動車は3月3日、同社として初となる株主優待制度の導入を発表。スマホ決済アプリ「トヨタウォレット」の残高付与(500円分~)などの内容で話題を呼んだ。2024年12月に割引券などの株主優待の廃止を決めたくら寿司も2月に再導入を決定し、発表翌日はストップ高となった。
一定の株を保有する株主に対して、企業が年に1~2回ほど自社製品や金券などを提供する株主優待は日本独自の制度だ。海外の機関投資家などが恩恵を受けられないため廃止・縮小が目立つ時期もあったが、新NISAブームで日本の個人投資家の存在感が大きくなり、再び活況となっている。
とりわけ3月は優待銘柄に注目が集まる。優待の権利確定日(優待取得の権利を保有する株主として登録される日)を3月末に設定する銘柄が多いからだ。
今年、3月末の権利を取るには権利付き最終日となる3月27日までに株を購入する必要がある。例年、権利付き最終日を過ぎた3月末から4月初旬にかけて権利を確定させた株主が売りに転じ、株価が下がるケースが目立つ。その下落のタイミングで買うのもひとつのセオリーとされてきた。
だが、投資で8億円超の資産を築いた元消防士・かんち氏はこう言う。
「通常なら権利落ちから1~2週間して底値の時に買いますが、今年はトランプ米大統領の政策の影響で日本株が下落傾向にあります。3月中に割安な優待銘柄を見つけて買い、直後に権利を確定して優待をゲットする戦略も考えられます」(以下、「」内はかんち氏)