激安が実現する理由とは?
50円の炭酸飲料、賞味期限は2か月先
試しに50円の炭酸飲料を買ってみると、出てきた商品の賞味期限は2か月後だった。店の前にこの自販機を置いている飲食店オーナーはこう話した。
「うちは場所を“賃貸し”しているだけや。あとは(自販機の)担当者が補充をしてくれる。去年の夏は暑かったので1日3回補充した真夏日もあったな。買ってすぐに飲むんやから、賞味期限が迫っていても関係ないがな」
物価高騰のなか、なぜこんなに安い商品を販売できるのか。この激安自販機を展開する大阪市福島区に本社を置く「大阪地卵」に取材すると、釜坂晃司社長が応じた。
どのような場所に設置しているのか質問すると、釜坂社長は「(大阪と兵庫にまたがる)北摂や阪神と呼ばれる高級住宅地が多い地域を中心に350台ほど設置しています」と答えた。安さを売りにした店舗などが展開するエリアではないというのは意外に感じられる。
そして、釜坂社長は「物価が高い地域ほど、安さウケするんです」と続けた。安売り競争に参戦するのではなく、物価が高い地域で安さをアピールするほうが売れるというのだ。
同社の本業は鶏卵、一般食品、清涼飲料、冷凍食品などの卸売り業。50円といった激安商品を自販機で扱うようになった経緯についてはこう説明する。
「賞味期間が切迫した商品を大量に仕入れてディスカウントショップに卸していたのですが、10年ほど前からスーパーの統廃合でディスカウントショップが激減。自販機で販売をしようということになったが、自販機の多さに驚いた。そうなるとインパクトがないと売れないと考え、50円の商品を販売するようになったんです」(釜坂社長)