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森口亮「まるわかり市況分析」

【配当株投資の落とし穴】「利回り5%超」が約200銘柄あっても「高配当だからお得」とは限らない 痛手を負わないために注意したい4つのポイント

【1】権利付最終日と権利落ち日の特徴を押さえよう

 企業から配当を受け取るには、権利付最終売買日までに株を購入し、保有している必要があります。この権利付最終売買日は、決算期末の2営業日前に設定されており、今回は3月27日(木)です。

 翌日は権利落ち日と呼ばれ、一般的に配当や優待分の下落が見込まれます。この仕組みを理解していないと、「配当をもらったのに株価が下がった!」と焦って売却し、長期投資のつもりが短期の値動きに振り回されてしまうリスクがあります。

【2】期末配当と中間配当をチェックしよう

 配当利回りは「年間配当÷株価」で計算されるため、表示されている数値が3月にもらえる配当金の利回りではない可能性があります。

 特に3月期決算の企業では、9月末に中間配当を実施しているケースが多く、実際の期末配当利回りは、見た目の利回りよりも低いことがほとんどです。

「想定していた配当金がもらえなかった」とならないよう、中間配当の有無も事前にチェックしておきましょう。

【3】空売りは簡単ではない!配当調整金に注意

 権利落ち日に株価が下がるなら、「空売りで儲けられるのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、信用取引には「配当調整金」の仕組みがあるため、思うように利益を得るのが難しいのが実情です。

 配当調整金とは、信用取引で売り建てている投資家から徴収し、買い建てている投資家に支払われるものです。しかも、実際の支払いは数ヶ月後に行われるため、一時的に利益が出たように見えても、後から引かれる金額と相殺されることになります。

 結果的に「空売りして利益が出た!」と勘違いしても、後でその分の金額が口座から引かれるだけ。この仕組みを理解せずに安易に手を出すと、期待した収益が得られず、逆に損をするリスクがあるので注意しましょう。

次のページ:【4】配当利回りだけでなく「業績」と「配当の長期推移」も確認しよう

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