2015年、日本全国で唯一の空白地だった鳥取県に初出店された店舗(スターバックス・シャミネ鳥取店。時事通信フォト)
都心と郊外の店舗で「客層にギャップ」
2015年5月に唯一の“空白地”だった鳥取県にも店舗がオープンし、ついに47都道府県を制覇したスタバの店舗数は、2024年12月末時点で1991店舗。店舗が増えるにつれ、客層も広がっているようだ。都内在住の会社員・Kさん(50代男性)は、都心のスタバに通っていたが、「店内で過ごすのに気後れするようになった」という。
「スタバは、ルノアールや星乃珈琲、コメダ珈琲でゆっくりくつろぐほどではないけど、ドトールやベローチェよりは少し落ち着けるような空間が好きで、ちょっと休憩したいときによく利用していました。でも最近、女子高生や大学生たちがすごく増えて、そんなキラキラした空間に『僕がいてもいいんだろうか』と落ち着かなくなってしまい……。ただチェーン店でなくてもコーヒーを飲めるお店はいっぱいあることに気づいたので、今はスタバ以外にいろいろ開拓中です」(Kさん)
神奈川県在住で、都内の企業に勤めるUさん(30代女性)は、「地元のスタバは仕事をしている人なんていないし、“オシャレ”イメージもほとんどない」と、都心のスタバとの雰囲気の違いを挙げる。
「郊外のスタバはショッピングモールに入っている店舗も多い。そういう場所では家族連れやシニア層もいて、誰も仕事なんてしていませんよ。どちらかといえばファミレスっぽい利用ですね。スタバはジュースやちょっとしたスイーツもあるので、年齢に関係なく時間を潰せる場所として重宝されているのでは。
そういう意味では、私がスタバを使う時は、都心では仕事目的、地元では家族で行くなど、場所によって使い分けます。地元のスタバに作業をしに行くことはないです。そういう雰囲気じゃなさすぎる」(Uさん)
店舗展開の拡大に伴い、全国各地でさまざまな客層を取り込み続けるスタバ。それに伴い客側の利用方法も変化しつつあるようだ。