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ビジネス
ネスレ元社長が語る「フジテレビ問題と日本企業」

【ネスレ日本元社長・高岡浩三氏が提言】日本の武器である「世界一の労働力」をどう活かすか? 「高利益率・高賃金」を両立させる「日本的経営再建」への道

 日本企業のガバナンス欠如を憂うが、何でも欧米を真似ればいいとは思っていない。失われた30年を経て再び立ち上がるため、高岡氏がめざすのは「日本的経営」の再建だ。

「ネスレ日本は終身雇用で年金制度も充実していながら、利益率25%を実現しました。日本だからできないではなく、日本だからできることもあるんです。僕は何でも外資に倣えばいいとは思っていません。

 ただし世の中がすごいスピードでグローバル化していく中では、外資のやり方も柔軟に取り入れて次なる日本的経営を作るべきだし、作れるのではないか。何としてでも、そうした日本的経営を若い世代に託したいと思っています」

 世界一の労働力という大きな武器を活かし、「次なる日本的経営」の創出で国の未来を明るくするリーダーの育成こそ、焦眉の急だ。

■インタビュー第1回から読む:「CMに何十億円投資しても売上も利益も変わらない」かつてキットカットのCMを中止したネスレ日本元社長・高岡浩三氏が考える“テレビCMの価値”「『広告しないと商品が売れない』は時代遅れ」

【プロフィール】
高岡浩三(たかおか・こうぞう)/1960年大阪府生まれ。1983年に神戸大学卒業後、ネスレ日本に入社。各種ブランドマネージャーを経て、ネスレコンフェクショナリーマーケティング本部長として「キットカット受験応援キャンペーン」を手がける。2005年、ネスレコンフェクショナリー社長。2010年、ネスレ日本副社長飲料事業本部長として新しい「ネスカフェ」ビジネスモデルを構築。同年、社長兼CEOに就任し、2020年に退任。現在はケイアンドカンパニー社長として、企業のマーケティング、イノベーションをサポートしている。

取材・文/池田道大(フリーライター) 写真/横田紋子

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