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キャリア
ばあちゃんビジネス

「ばあちゃんビジネス」で注目を集める経営者が語る創業の原点 「高齢者だって誰かの役に立ちたい」という切実な声、年金だけでは生活費が足りない現実も

福岡県知事賞を受賞した『蜜な干し芋』

福岡県知事賞を受賞した『蜜な干し芋』

高齢者だって誰かの役に立ちたい!

「そんなの福祉でやる仕事じゃないの?」

 そんなふうに言われたこともありました。でも、仕事は創り出すものでしょう。企業と連携して巻き込んで、社会にもっと高齢者が携わる仕事を創出しないといけないと思っています。

 もちろん福祉や介護の仕事は、なくてはならない大切なものです。ただ、僕らの世代で「私の夢は将来、介護施設に入ることです」と言う人はまずいないでしょう。そこを人生のゴールにしちゃいけない、と思いました。

 介護施設に入居している、じいちゃんやばあちゃんとも対話を重ねました。

 施設に入居していると、食事や体操、昼寝、レクリエーション……で半日くらいが経ちますよね。一見お世話してもらうだけでラクそうだけど、これが気持ち的につらくて、もどかしいそうなんです。僕も入院中そうだったから、すごくよく分かる。

 そして、「何が今、楽しいですか?」と聞いたら、こう返ってきた。

「職員さんのお手伝いをして、ありがとうって言われた時」

 衝撃でした。お世話をされるんじゃなくて、お世話をしてあげたい。誰かの役に立っているという実感、もっと大きく言うと地域や社会の役に立っているという実感って、生きる上でものすごく価値のある力なんです。

 僕たちもそうですよね。自分のためだけでは、やれないことがたくさんある。

 ばあちゃんたちを主役にして、稼いだお金を地元で使う。そうすれば、地元に減っている若者に向けた仕事もどんどん創っていけるんじゃないか。世の中に元気なじいちゃんやばあちゃんが増えたら、元気な町や村が増えるんじゃないか。この頃はごく単純にそう思っていました。

 七十五歳以上が働く会社の構想を話すと、九十九パーセントの人から「そんなの必要ない」と鼻で笑われました。まぁ、そうでしょう。課題を解決しようとしたら抵抗って当然あるものだから。

 そんなことだから、課題は課題のまま残っている。合理性に欠けるとか、儲からないとか、既得権益をおびやかすとか。何らかの理由で残ったままなんです。

 課題を解決したら都合が悪くなる人がいる。環境問題もそうですよね。どこかを良くしようとすると、どこかが良くなくなる。でも、デザインはそのバランスを取る作業。僕はそのプロフェッショナルです。

「誰に何と言われようと、ばあちゃんビジネスの会社を創る!」

 決意は揺るぎませんでした。

※大熊充著『年商1億円!(目標)ばあちゃんビジネス』から一部抜粋して再構成

【プロフィール】
大熊 充(おおくま・みつる)/1980年、福岡県うきは市生まれ。うきはの宝株式会社代表取締役。地元の高校を中退後、独学でデザインを学び、2014年デザイン会社を創業。デザイン会社経営の傍らソーシャルデザインを学び、地元うきは市の地域課題を解決すべく様々な活動を開始。生活に困窮し、生きがいを失っている高齢者に「生きがい」と「収入」を創出すべく2019年、うきはの宝株式会社を創業。福岡県知事賞を受賞した『蜜な干し芋』、発行部数5000部の『ばあちゃん新聞』など、ばあちゃんの知恵を活かしたヒット商品を続々と世に送り出す。75歳以上のばあちゃんがいきいきと働くうきはの宝の取り組みは、認知症専門家からも注目を集めている。

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