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遺族への負担を最小限に抑える「5日間の生前整理」 初日に不用品を仕分け、2日目に預金通帳など重要資産を探す…「完璧を目指さず要点だけを押さえる」のがポイント

生前整理はどこから手をつけるべきか(イメージ)

生前整理はどこから手をつけるべきか(イメージ)

 何かと大変なことが多いのが、相続だ。昨年父親を亡くした都内在住の60代男性Aさんは、父の相続が一段落したところで思わぬ面倒ごとに直面した。

「相続人と遺産分割協議を終えた直後に、500万円の預金が入った父名義の銀行口座が見つかったんです。たまたま自宅のタンスの奥に落ちていた預金通帳が見つかってしまい……。額が少なくないので遺産分割協議をやり直し、親族が再び集まって協議書を作成するなど大変な手間がかかりました」(Aさん)

 生前整理せずに亡くなると、残された者には大きな負担が生じる。

「生前整理とは、残された人に資産をスムーズに引き継ぎ、手続きや処分がしやすいように気遣うことなのです」

 そう語るのは、これまで25年間で2200件以上の遺品整理を手がけてきた空き家対策パートナー代表の内藤久氏だ。

「遺産や遺品の整理は“残された者の気持ち”も関係するため、余計にややこしくなりやすい。両親のマンションを相続したものの遺品整理を先延ばしにしたまま3年間が過ぎ、固定資産税やマンションの管理費などを払い続けていた依頼者の方がいました。『親と過ごした家を勝手に売却するのに罪悪感を覚える』とのことでした。親があらかじめ不動産の処分方法を伝えておけばここまで長引かなかったでしょう」(内藤氏)

 とはいえ、生前にモノやお金を洗い出して全て整理するのは億劫だという人も多いだろう。

 内藤氏は、「全てを完璧に片付けようと思わず、まずは要点だけを押さえましょう」と言う。

「突き詰めれば、生前整理は“遺族に何を引き継いでもらうかを決めること”です。モノ、お金、葬儀や墓などの必要最低限を整理し、引き継ぎ方や自分の希望を残せばいいのです」(同前)

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