実家じまいの最短手順
物件の周辺エリアの相場を調べ、住戸の床面積や築年数などを参照にして似た物件はいくらで売買されているのかなどをチェックする。
「これは主に都市部でのケースです。不動産の売買が少ない地域なら、年に一度国土交通省が発表する地価公示価格をインターネットで検索すれば土地の時価に近い価格を推定できます」(牧野氏)
公示価格は更地の価格であるため、家を解体した時にいくらくらいの価値があるのかを調べる目安となる。ある程度相場を把握した後に行なうのは、「家族会議」だ。
「たとえば相続した長男が売却や解体を勝手に決めてしまい、きょうだい間でトラブルになるといったケースが散見されます。まず家族のなかに“実家を引き継ぎたい”と望む者がいないかを確認します。賃貸を望める物件なら“シェアハウスにしたい”といった孫世代が名乗り出る可能性もある。そうなれば贈与や相続で引き継いで実家じまいは終了します」(同前)
引き継ぐ者がおらず、売却や賃貸を考える場合は、この段階で不動産業者を見つけておく。
「地方の物件ほど地元のネットワークが武器になるので、全国チェーンの大手より地元の情報に強い地域密着の業者が望ましい。リノベーションすることで買い手や借り手がつきやすいといった、地元周辺エリアの人口動態やニーズなどを相談できると良い」(同前)
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※週刊ポスト2025年4月18・25日号